私には心からリスペクトできる、大好きな心友(しんゆう)が何人か居ます。
ある心友は、ご夫婦のパートナーシップもとてもステキで、深い信頼と愛情で支えあっているなぁといつも感じています。
そんなご夫婦でも、長い結婚生活の中でいろんな困難を一緒に乗り越えていく中で、「大きなケンカも何回もしたことがあるのよ」と話してくれたことがありました。
いつも冷静沈着で、感情的な発言などほとんどしたことが無いくらいのご主人が、そのケンカの時は震えるくらいに怒りを爆発させたと聞いて、普段のイメージとあまりにかけ離れていて私はびっくりしました。
“ケンカができるほど仲が良い証拠”という言葉もありますが、まさにそのご主人は奥さんに何も隠し事が無いくらい、全幅の信頼をしているからこそ、そのような感情も出せたのでしょう。
自分が感じている感情に不感症な現代人にとって、このように感情をしっかり感じられる体験はとても重要なのです。
日頃から怒りを溜めてしまいがちな人は、ケンカを引き金にそれまで累計してきた怒りのエネルギーを一気に相手にぶつけてデトックスします。
最近多い、ささいな事でプッツンとキレてしまう人、すぐに涙があふれてしまう人も、感情のデトックスができずに溜め込んで、いつも怒りや悲しみのエネルギーの飽和状態に居る人です。
本来、感情にネガティブなものはありません
生きていれば呼吸をするのと同じくらい、イライラしたり、悲しくなったり、淋しく感じることは、あたりまえに毎日起きる “心の生理現象” です。
最近インスタグラムで見たのですが、淋しくなれば野生動物ですらメスライオンはオスライオンに甘えていました。
いつからか人間だけが、淋しい・悲しい・悔しい・怒りなどの感情は、表に出さないように生きることを良き事としてきました。
人前で愚痴や泣き言、不満を言うなと教育されている日本人は、特にストレスマネジメントが下手な民族でもあると言えます。
“ネガティブ”な感情を感じるのが悪いのではなく、その感情を溜めこむことが良くないのです。
感情は、その場で感じ切ったら消えます。
思いっきり大笑いした後、なんでそんなに面白かったのかよく思い出せない経験は、その楽しい感情を感じ切ったから。
それと同じで、悲しかったらすぐに思いっきり泣く、怒りを感じたら、できればその気持ちを相手に率直に伝える。
もしも相手に怒りを伝えられない状況だったら、その怒りのエネルギーを思いっきりスポーツやカラオケなどで思いっきり発散するなど、感じ切る方法はたくさんあります。
イライラの根本的な原因は。。。
意外かもしれませんが、イライラや怒り、悲しみの感情の根底には、忙しさからの疲れ、寝不足や食生活の乱れからくるミネラルやビタミン等の栄養不足、外食やコンビニ食品などに多く含まれる食品添加物などによるむくみ、体内汚染が原因していることも多々あります。
発達障害の子供の食事を、毎食、煮干しのお出しからひいたお味噌汁やお野菜たっぷりの手作りの食事に変えただけで、情緒が安定して普通学級でお勉強できるようになった事例はたくさんあります。
大人も、もちろん同じです。
特に食事には、作る人の愛情のエネルギーが入ります。
例えばおむすびだけでも、工場で機械によって作られた冷凍食品よりも食べた時に満足感が長持ちするのは、愛情のエネルギーも一緒に食べているから。
だからお仕事がたいへんなパートナーが居る人には、おむすびだけでも良いから作ってあげてくださいと、私はいつも伝えてきました。
今は亡き敬愛する佐藤初女さんは敬虔なクリスチャンの精神から、全国の悩める人の話しを聞き、手作りのあたたかい心のこもったお食事を出す宿で、たくさんの人の心と魂を救いました。
宿から家路に着く人に持たせてくれた、初女さんのおむすびを食べて自殺を思い止まった人は、数えきれないほど居たそうです。
おむすびに込められた愛情のエネルギーが、自分も愛されている、掛替えの無い大切な命だということを、思い出させてくれたからでしょう。
話すこと=心の重荷を放すこと
たっぷりと寝て、自分の好きな事を思い切りやって、気持ちの良いお食事をして、自然の中でのんびり過ごす時間を取ったら、人は見違えるようにストレスを忘れます。
そしてもう一つ大切なのは、心許せる人に心の内を話すこと、甘えること!!
一人でもストレスケアはできますが、話を聞いてくれる人に感情を受け止めて寄り添ってもらったという事が、どれだけその人にとって癒しになるのか、それが精神疾患やあらゆる病気に最も必要な予防医学になると、私は感じています。